No.2 【廃盤部品】トヨタ モデリスタの”直せない”と言われるPPEスポイラーは樹脂溶接で修理できる【画像で確認する】
『モデリスタは直せない』と言われているようなのですが、それはなぜでしょうか?
モデリスタ製品が直せないと言われている理由とは?
PPEという素材は溶融温度が高いため、修理ができないと言われてきました。
モデリスタに用いられる"PPE"は本当に直せないプラスチックなの?
無限やモデリスタに使用されているPPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂とは、どのような素材なのでしょうか。
自動車部品ではABSやPP、PEなどが多く用いられています。
これらの素材は溶融温度低いため熱での加工がしやすく、従来のホットワイヤやはんだごてでの修理が比較的容易にできます。
しかしながらPPEはこれらにくらべて溶融温度が高いことから加工がしにくく、また接着剤等では強度の確保が難しいことなどから「モデリスタは修理ができない」と言われているそうです。
あくまで参考ではありますが、ポリバンスの溶接機での修理時設定温度はPPが約160度、ABSが約105度なのに対しPPEは250度以上になります。
PPEが修理できないとされているのはなぜ?
それでは、設定温度が公開されているのに修理できないと言われる原因は何でしょう。
「高温で熱すると煙がでる」ということは容易に想像できると思います。
この煙が発生しているというのは素材に熱を加えたことによって焦げてしまった状態で
プラスチック修理において煙が出て焦げた状態ということは、酸化した状態ということになります。
プラスチックに熱を加えた際に酸化してしまうと、脆くなってしまいます。
【カスカス】や【ポロポロ】といった表現が近いでしょう。これでは強度を確保することは難しいですね。
そこで、高温が必要な修理では特に窒素シールドガスを用い焦がすことなく溶融させる修理が有効となるわけです。
モデリスタの溶接修理の過程
溶接修理がモデリスタユーザーから切望される理由
モデリスタや無限に代表される純正エアロパーツは生産される期間が短く、数年後に部品を問い合わせてももう手に入らないそうです。
また、中古市場へ出回る母数も少ないことから破損した際には泣く泣く諦めるという方が多く
今回のお客様もエアロパーツをフロントスポイラーだけでなくセット品で取り付けておられたため、フロントだけ取り外してしまうかエアロパーツをごっそり他のものに交換するかお悩みでした。
写真にあるように、ビスなどの取り付け部付近は衝撃を受けた際に割れやすく依頼が多い箇所となっています。
ここが割れてしまうと取り付けが安定せず、だらしなく垂れてしまう原因になります。
また写真から、スポイラーなど地面に擦りやすい部品では衝撃を受ける回数が多いのがわかります。
窒素シールドガスを用いた溶接を施した様子です。
先述の通り250度以上の熱を加える必要があるため、他の部位に熱の影響が及ばないように慎重に作業を進めます。
溶接箇所の周りをアルミテープで養生していますが、この他にもトーチの距離などを調整しながら溶接をする必要があります。
高温のガスを使用するため、歪みが生じないように丁寧に仕上げます。
PPEは本当は直せるということ?
安価で販売されている樹脂溶接機で直せない理由の一つに"温度調節ができない"ということがあります。
それぞれの樹脂に適した温度でしっかり溶融させて溶接することができないと、それは修理したのではなく”意味のない熱を与えただけ”となります。
また、適切な熱を
- どれくらいの距離で
- どれくらいの角度で
- どれくらいの速度で
- どれくらいの時間をかけて
など、適切な条件で修理をすることができればPPEは修理できます。
ご依頼元にてパテ・塗装を施工するため、丸イでの修理は溶接までとなり溶接後の表面を整えてご納品となります。
スポイラーの修理でも【下縁のみ】【取り付け部のみ】のように見えない部位に絞って取り付けのための修理であれば、パテや塗装といったコストを抑えることも可能ですね。
ご依頼は車のプロじゃなくても大丈夫
丸イへご依頼いただく作業の1/3ほどは一般ユーザー様です。
また、ユーザー様のご紹介で入庫先の工場からご依頼いただくことも増えてきました。
他にも輸送中の思わぬ破損、輸送事故など運送・輸送業者様からもお問い合わせいただいております。
弊社は岐阜県岐阜市にありますが、全国から郵送にて修理を承っております。お気軽にお問い合わせください。
中古品が入手できない、そんな時には丸イの溶接修理もぜひご検討いただけますと幸いです。
写真を添えてご相談いただければ、私が破損状況を確認してお答えします!
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いずれもお写真だけでお見積りが可能ですので、お気軽にご相談ください!
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