【修理例5つ】窒素プラスチック溶接機を用いたヘッドライトステー修理

ECOWEL佐藤

トヨタ AE111 カローラレビンのヘッドライトステーの修理を例に
窒素プラスチック溶接機を用いた溶接修理についてご紹介します!

修理前のカローラレビン(AE111)の左右ヘッドライト
修理前のカローラレビン(AE111)の左右ヘッドライト

窒素プラスチック溶接で目立ちにくい修理をするコツ!

ヘッドライトの裏側が○色?黒以外にもある意外な色とは?

ヘッドライトの裏側が、灰色?!
ヘッドライトの裏側が、灰色?!

カローラレビン(AE111)のヘッドライトをお預かりしました。
まずはいつものように素材表記を確認しましょう。…と、何かに気がつきませんか?

丸イ(妻)

ヘッドライトの裏側が灰色?
PPって書いてあるけど、いつも通りのロッドでいいの?

ECOWEL佐藤

PPでも黒以外のことがあります。
色だけで判断せず、素材表記をしっかり確認しましょう!

最近は少なくなってきましたが、写真にあるようにヘッドライトの裏側が灰色ということもあります。
また、同じPPを使った素材でもバンパー等では白色もあります。

このような場合には、黒以外のロッドを使用することで修理跡を目立たなくすることができますよ。

溶接ロッドは黒色だけ?他にも色があるの?

PPの溶接ロッドには黒色だけでなく白色も設定されている
PPの溶接ロッドには黒色だけでなく白色も設定されている

修理ブログでも紹介していますが、丸イでよく修理しているヘッドライトは裏面が黒色です。
しかし、製品によっては今回のように灰色のものもあります。

いつものように黒い溶接ロッドを選択してしまうと、修理跡が目立ってしまうことは言うまでもありませんね。
このような場合にはは白色のロッドを使用すると修理跡が目立たずきれいに仕上がります。

ポリバンスの溶接ロッドでは、例えばPPでは黒色以外に白色が、TPOには灰色の設定があります。

ECOWEL佐藤

高年式車のヘッドライトでは灰色はあまり見かけませんが
ロッドは複数色持っておくと便利です。

色だけでなく形状にも種類がある?断面の違いは何のため?

平らなものは幅が異なり、他にもL字と●形がある
平らなものは幅が異なり、他にもL字と●形がある

ポリバンスの溶接ロッドは素材だけでなく、形状にも複数の種類が設定されています。
使用する溶接ロッドの幅を変えたり、角や溝など破損箇所に合わせた形状を選択することで作業精度の向上につながります。

ECOWEL佐藤

壊れた部品の形状に合わせてロッドの形状を選択するだけでなく
溶接ロッドを削るなどして形状を変えるのもオススメです!

窒素プラスチック溶接ではどんなステーが直せる?

今回の修理は左右合わせて5か所!形状や破損位置を紹介

カローラレビン(AE111)の左ヘッドライトステー(修理①)
カローラレビン(AE111)の左ヘッドライトステー(修理①)
カローラレビン(AE111)の右ヘッドライトステー(修理②・③)
カローラレビン(AE111)の右ヘッドライトステー(修理②・③)

上図のステーは根本(修理②)だけでなくステーの折れ曲がる形状に沿って、もう一つの割れ(修理③)が確認できます。
このように1つのステーで複数の破損がある場合でも、溶接修理であれば強度を確保しながら整形することが可能です。

カローラレビン(AE111)の右ヘッドライトステー(修理④)
カローラレビン(AE111)の右ヘッドライトステー(修理④)

こちらはクリップやネジをつけるための金属プレートがカチッとはまる部分。

ECOWEL佐藤

溶接面の裏側が箱状になっていることで、窒素ガスを噴き出す溶接棒や溶接ロッドが入り込む隙間が狭く、溶接しにくいタイプのステーです。

カローラレビン(AE111)の右ヘッドライトステー(修理⑤)
カローラレビン(AE111)の右ヘッドライトステー(修理⑤)

ポイントは丁寧な溝?窒素プラスチック溶接のコツとは

ステーの向こう側の明かりが透けて見える
ステーの向こう側の明かりが透けて見える

窒素プラスチックを用いたステーの溶接修理で最もよくある質問が「強度」についてのものです。

ECOWEL佐藤

はんだごてなど、従来の修理での強度を知っているからこそ
どれくらいの違いがあるのか気になりますよね!

溶接時にはV字の溝を彫りますが、その深さや幅・広がり方などによって溶接したロッドの溶け込み方が違います。
この写真では、ステーの向こう側の明かりが透けて見えています。反対側まで貫通させるような溝を丁寧に作ることで、より母材とロッドとの溶け込みが良くなります。また、この作業を両面から行うことでバランスよく強度を持たせることができます。

ステーの形状によってはこのV字の溝が彫りにくいことも…

アールがついた損傷部位(修理②・③)
アールがついた損傷部位(修理②・③)

こちらはアールのついた部位が複数割れていますね。
このような場合には

  • 位置が正確に合うこと
  • 隣り合う修復箇所に熱の影響を与えないこと

などの特別な注意が必要となります。

角張った凹凸のあるステー(修理④)
角張った凹凸のあるステー(修理④)

このような角張った凹凸のあるステーでは段差を跨いだ溝を掘る必要があるだけでなく、90度曲がった先へつながるような溶接をする必要があります。

くぼみの中の損傷部位(修理⑤)
くぼみの中の損傷部位(修理⑤)

くぼみの中に溶接部位がある場合には、熱が横方向(くぼみの中を伝う方向)へ広がりやすくなります。
そのため養生や修理箇所へ正確に窒素ガスを当てることだけでなく、噴き出る溶接棒の角度を調整することで周囲への影響を最小限に抑える必要があります。

これらの点に注意し、丁寧に溶接することでプラスチックパーツはきれいに再生することができるのです。

修理の前後を写真で比較

溶接、整形後のヘッドライトステー5か所を見てみよう!

カローラレビン(AE111)の左ヘッドライトステー(修理①)の比較
カローラレビン(AE111)の左ヘッドライトステー(修理②・③)の比較
カローラレビン(AE111)の左ヘッドライトステー(修理②・③)の比較
カローラレビン(AE111)の左ヘッドライトステー(修理④)の比較
カローラレビン(AE111)の左ヘッドライトステー(修理④)の比較
カローラレビン(AE111)の左ヘッドライトステー(修理⑤)の比較
カローラレビン(AE111)の左ヘッドライトステー(修理⑤)の比較

ポイントを抑えて様々な形状のステーを修理してみよう!

今回はカローラレビン(AE111)のヘッドライトステー修理を例に、様々な形状のステー修理についてポイントをご紹介しました。

  • 適切な素材、色の溶接ロッドを選択すること
  • 破損部位の形状にあった溶接ロッドを選択すること
  • 形状によって熱の加え方を調整し、丁寧に溶接すること

上記のポイントを抑えて、ステー修理に役立ててくださいね!

ご依頼は車のプロじゃなくても大丈夫

丸イへご依頼いただく作業の1/3ほどは一般ユーザー様です。
また、ユーザー様のご紹介で入庫先の工場からご依頼いただくことも増えてきました。
他にも輸送中の思わぬ破損、輸送事故など運送・輸送業者様からもお問い合わせいただいております。

弊社は岐阜県岐阜市にありますが、全国から郵送にて修理を承っております。お気軽にお問い合わせください。

中古品が入手できない、そんな時には丸イの溶接修理もぜひご検討いただけますと幸いです。

佐藤

写真を添えてご相談いただければ、私が破損状況を確認してお答えします!

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いずれもお写真だけでお見積りが可能ですので、お気軽にご相談ください!

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